投げやりとかじゃないです、決して。 誰でもみんな、思うままに、が理想のはず。
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月に一回、稽古もバイトも何にも予定の無い日を作って芝居を見に行こうと決めたのが6月のこと。
今月で三回目になりますが、8月は今日がその日でした。
てなわけで三回分の感想を交えつつ軽く振り返ってみようと思います。
6月。
ナイロン100℃「黒い十人の女 ~version100℃~」
青山円形劇場。
元々は映画作品だったものを舞台用にリメイクしたという、結構前から話題になっていた作品。
当日券だったのに舞台近くで前過ぎず後ろ過ぎず、すごく良い席。
しかも演出的に「役者が客席の間の通路を通って出入りする」
ものだったため、通路際だった私の真横を役者さん達が何度も通ってドキドキしました。
ほとんど日常的に浮気を繰り返す主人公の妻と、浮気相手の9人の女たちが
「あの人がいるから私たちはダメになるのよ!」
と憤慨し、共謀して彼を殺す計画を立てる…というお話。
想像してた「女同士のドロドロ」とか「熾烈な戦い」とかよりも、むしろ「本当に殺してしまったと慌てふためく心理」や「共通の敵の悪口を言う気持ちよさ」とかの、
他人事だったら笑えるおかしさだけど誰でも共感できることを面白哀しくコメディにした感じ。
まぁ、話の内容はともかくとして、とにかく女優さん達が本当に素敵でした。
側を通った時、女優さんたちが皆それぞれ違うイイ匂いがしたので、あれも演出だったに違いない、と思う。
中でも、峯村リエさんがカッコよすぎて鳥肌モノでした。
着物の立ち姿がキリッとしていてとても美しかったです。
これを観た後にオリジナルの映画の方を見たんですけど、舞台版だけのギャグかと思ったらオリジナルにも入ってるものだったり、逆に割と大胆に設定を作りだした部分もあったりして、いろいろ違いが楽しめました。
若い頃の中村玉緒が可愛かったです。
余談ですが、円形劇場だったので向こう側の客席がよく見えたのですが、そこに演出のケラ氏と、偶然なのかすぐ近くに生瀬勝久氏が座ってるのを発見して、一人で興奮してました。
でもできるだけオーラを消そうとしてるのか帽子をかぶったり地味な服装をしていて、有名人は大変だと思いました。
東京観劇って、結構な確率で有名人に出会えるのが密かな楽しみだったりします。
完全なるミーハーです。
7月。
二回目にしていきなりの異色観劇。
歌舞伎鑑賞教室「義経千本桜」
国立劇場。
何の芝居観に行こうかな~とネットで探してたらたまたま見つけたので、初・歌舞伎観劇に挑戦。
国が支援しているものだからか、チケット代が安い(2等席は¥1,500!)のも魅力。
ただ、ちょうど都内の中学生・高校生の団体も見に来ていてほぼ満席だったので、私の席は3階の1番後ろ…つまり舞台から一番遠い席になってしまいました。
役者の顔が豆粒大(笑)まさにオペラグラスが必要な席でした。視力が良くてまだよかった…。
「歌舞伎を見たことが無い人にもわかりやすく楽しんでもらおう」というコンセプトの舞台だったらしく、
本編の前に簡単な「鑑賞講座」みたいなものがありました。
「こういう動きをしたらこういう状況を表している」とか「この台詞はこんな意味で、こういう言い方をする」とか、すごくわかりやすく解説してくれました。
言葉遣いが難しい台詞は、舞台横の電光掲示板に表示されるという徹底ぶり。歌舞伎界も集客のためにいろいろ工夫してるんだなぁ。
まさか伴奏用の三味線と和太鼓でAKBを演奏されるとは思いませんでしたが。
いくらなんでも若者に媚び売…いや、ターゲット絞りすぎだろと思ったけど、
学生たちに大ウケだったので、狙い通りなんだろうなと。
話は、説明するの大変そうなのでざっくり言うと
「源平の争いで死んでしまった、ある平家側のヒーローが実は生きていて、庶民に紛れて暮らしているところへ義経一行が助けを求めてやってくる」
という物語。
「あの人が本当は生きていたら面白いだろうな」という発想から生まれたフィクションだそうで、江戸時代の人たちもやっぱり悲劇のヒーローものがとても好きだったらしい。
あの、歌舞伎独特の動きや言い回しなんかを生で観たのは初めてだったので
「ぁ、うらぁ~みいぃ、はらぁ~さでえぇ、あ、おくぅ~べきぃかああぁ(恨み晴らさでおくべきか)」って台詞と見栄を生で見ることができてちょっと感動しました。
ホントにこんな言い方するんだー、みたいな。
でもこの良さがわかるまでにはまだまだ教養が足りないようです…
まぁ一度は見ておいてよかったな、と思いました。
8月。
今日行ってきました。
少年王者館「超コンデンス」
下北沢 ザ・スズナリ
今まで全然知らなかったんですけど、この作・演の天野天街という人はかなり有名な人なんですね。
公演情報見ても、どんな内容の話とか全然書いてないし、公式サイトの動画見てもダンスシーンばかりだったから、全くどんな感じなのか想像もつかないまま飛び込んでみました。
なんていうか…フライヤーも見ての通り不思議で怪しげだったので、正直行くのにちょっと勇気が要りました(笑)
感想は…一言で言えば、「なんだかよくわからん」
でした。今年の2月にチェルフィッチュを見たときくらいの置いてかれ感。
でもストーリーは一貫して流れているようで、ちょいちょい正統派の(?)ギャグやツッコミ所を挟んだり、
めまぐるしくシーンが変わったりダンス(これがカッコよかった!)を織り交ぜたりしていて、
「なんだかよくわからんけど続きを見ちゃう」感じ。
脱力してるようだけど実は動きが緻密に計算されてるキレッキレな群衆ダンスが圧巻でした。
なにあれやってみたい。
出演者が多すぎて覚えられなかったけど魅力的な役者さんがたくさんいて、一人ひとり目で追うのが楽しかったです。
でも、何より一番衝撃だったのが、主人公の少年を演じていた女優さん。
どっかで見たことあるなー、なんか知ってる気がする…あれ?もしかして??
と思ってパンフ確認したら、なんと数年前に水戸芸術館での「12ライアーズ」に出演していた中村榮美子さんでした!
もう、心底びっくり。こういうこともあるんですね。
たぶん自分は、抽象的だったり前衛的なものよりも、わかりやすい正統派の芝居が好きなんだなと思いました。
役者さんの動きや台詞全部に納得できる意味を探そうとしちゃうから、「なんのためにその動きをしたのか」「その台詞を言ったのか」を頭で理解できないものを見ると、ちょっと不完全燃焼になってしまいます。
好きな人はすごく好きなんだろうな、という世界でした。
ああ、3つ書くのにすごい時間がかかってしまった。
来月からは月1じゃなくて月2くらいにしたいけど、感想は気が向いたら書くことにしよう。
どなたか親切な方、どんなジャンルでもいいのでお勧めの劇団やパフォーマンス集団などがありましたらぜひぜひ教えてください。
今度はミュージカルも観たいなぁ。